ジンクとは亜鉛のことであり、 一般に建築用板金として使用されているジンクは微量の銅とチタンが添加された亜鉛合金です。 ヨーロッパでは伝統的な素材で、日本における銅のような位置づけです。銅金ではジンクの中でも世界的に最も信頼されているブランド、 フランスのVMジンク(ブイエムジンク/ヴイエムジンク)の製品を扱っています。


ジンク屋根発祥の地、パリ。現在も7割近くの屋根がジンク。

  • 耐久性

  • 100年レベルの長寿命でメンテナンスフリー

    ジンクを自然環境に晒しておくと、大気中の酸素、水分、二酸化炭素と反応し、表面に塩基性炭酸亜鉛の緻密な保護結晶層「パティナ」が自然形成されます。そのメカニズムは、銅の緑青生成とまったく同じです。但し、銅の場合には青緑、ジンクの場合にはマットグレーの結晶層となります。このパティナがジンクの腐食を防ぎ、屋根面の年間減耗量を1ミクロン程度、谷や低勾配で水はけの悪い部位でも僅か2ミクロン程度に抑えます。すなわち0.7mmのジンクが、耐力限度とされる0.5mmに減耗するまで、条件の悪い箇所でも約100年かかることとなります。沿岸部での使用にも強く、まためっきやコーティングとは異なり、パティナは切り口や傷で生地がむき出しになったところにも自然形成されるので、ジンクはメンテナンスの必要がありません。

  • 美 観

  • 意匠的な寿命が最も長く、年月を経るほどに増す深み

    ジンクのもうひとつの特筆すべき魅力は、しっとりとした温もりのある風合いと経年変化による味わいです。

    これも、銅を思い浮かべて頂ければ、分かりやすいことでしょう。 金属でありながら、石や木のようなナチュラル感のある表情を建物に与えられます。

  • 加工性

  • プレスや絞りも可能

    古くから建築装飾に用いられてきたことが証明する通り、ジンクは柔らかく加工性のよい素材です。中でもVMジンク(ブイエムジンク/ヴイエムジンク)は粘りがあり、低温下での加工にも強いジンクとして定評があります。銅金ではこの加工性の良さを活かして、ジンク瓦の製造や、デザインのこだわりに応えるカスタムディテールの作製を行っています。

  • VMジンク瓦 金剛院(2013年施工)

  • 経済性

  • 初期費用=★★☆ 長期で見れば断然経済的

    初期費用は銅と同じ価格帯で、ガルバリウム鋼板と比べれば2~3倍の高額になります。 しかし、塗り替え、葺き替えなどのメンテナンスが不要でありながら長寿命なため、長期で考えると逆に得になります。

    メンテナンス費用のインパクトが大きい大型の建物、設計寿命の長い建物などに最適です。

  • 東京大学伊藤国際学術センター(2011年施工)

VMジンク製品種類 欧州標準、安心の厚0.7mm~のラインナップ

  • クォーツジンク

    リン酸処理によりパティナのグレーに仕上げたジンク。


    アントラジンク

    リン酸処理により硯のようなチャコールグレーに仕上げたジンク。

  • ピグメント(ブルー、レッド、グリーン、ブラウン)

    クォーツジンクにシックな色味をオーバーレイ。

  • アゼンガー

    亜鉛鉱石のようなテクスチャーが光を乱反射する白いジンク。

  • ナチュラル

    生地のジンク。パティナの生成により建物独自の表情が生み出されます。

全ての製品について、裏面塗装(60μ)の有無をお選び頂けます。

コイル・シート

  品番 表面仕上げ コーティング 板厚
(㎜)
クォーツジンク Z-QZ グレー リン酸処理+ブラッシング 有/無 有/無 0.7~1.5
アントラジンク Z-AZ チャコールグレー リン酸処理+ブラッシング 有/無 有/無 0.7~1.5
ピグメント Z-PG ブルー、レッド、グリーン、ブラウン リン酸処理+ブラッシング 有/無 0.7~1.0
アゼンガー Z-AG シルバーグレー ラフテクスチャー 有/無 0.7~1.0
ナチュラル Z-NT 生地 有/無 0.7~1.5

りんくう出島医療センター

ジンク

壁パネル

小割りタイル

2016年 竣工

永福町教会

ジンク

壁パネル

横ぶき

2015年 竣工

金剛院

ジンク

在来工法

小割りタイル

装飾・リニューアル・その他

2013年 竣工

東京大学 伊藤国際学術研究センター

ジンク

壁パネル

縦ぶき

2011年 竣工

板橋区立志村図書館

ジンク

壁パネル

小割りタイル

1995年 竣工

御嶽山日之本教会

ジンク

横ぶき

装飾・リニューアル・その他

1981年 竣工